Type Project —visible, but invisible.

鈴木 功:字々俳諧

左に拙句、右に名句。括弧内は、タイプデザイナー日記に掲出した日付けです。併せてご覧ください。

2003年9月

2003年8月

2003年7月

蝉は、幼虫として数年間を地中で過ごし、ようやく成虫になったかと思うと、地中での生活に比してはるかに短い地上での生活を終える。地上に現れるのは夏、しかも残り少ない生を謳歌するように鳴き盛る。われわれ人間にとって、その生と死のコントラストは一際強烈に映る。掲句は、やや観念的。しかし、生と死の問題は毎日、毎月、毎年とわれわれの身を寄り添って離れることはなく、その思考の堆積が蝉の鳴き声(あるいは死体)を発火点として表出したと見れば、実感がわく。蝉と言えば、思い出す句があるので紹介しておく。
  • 空蝉の一太刀浴びし背中かな  野見山朱鳥
こちらの句からは、生や死の匂いは嗅ぎ取れない。それは「一太刀浴びし」と表現した、その描写の鋭さにより、どこにでもある蝉の抜け殻が、美的オブジェとして昇華したことにほかならない。(評釈:木雲 2003.7/29)
  • いづこへもゆかぬ旅あり梅雨鯰    (7/2)

2003年9月の掲出句

2003年8月の掲出句

2003年7月の掲出句