Type Project —visible, but invisible.

鈴木 功:字々俳諧

左に拙句、右に名句。括弧内は、タイプデザイナー日記に掲出した日付けです。併せてご覧ください。

2003年6月

2003年5月

一読して、「かな」ではない方が良いと思いました。確かに、江戸俳諧的な詠みをしていきたいというのは承知していますが、この句の場合、あまりに「形」になってしまっているような気がします。その「形」が邪魔をして作者の意図・心持ちがぼやけています。例えば、
  • 吾子の手をにぎりつゝじの夜道往く
とすれば、この親子はいったい何処へ行くのだろうかと、想像が始まります。ここまでの作為はなく、夜道を行く親子の親密な空気を詠みたかったのだとしても、手をつないでいることか、つつじをもう一歩踏み込んで描写したほうが句が膨らむと思います。(添削:木雲 2003.5/6)

「江戸俳諧的趣味」と「形」、どちらの指摘もまったくその通りである。前者は私の好みというほかなくいかんともしがたい。では、次のような現代句はいかがだろう。
  • 熊蜂のあどけなく蜜吸ひにけり
句姿は整い、句意に膨らみがある。おまけに「あどけなく蜜を吸う熊蜂」には、俳諧的興趣が漂う。添削とともに送られてきた木雲の近詠句である。(茶門 2003.5/8)

2003年4月