Type Project —visible, but invisible.

2005年01月31日 月曜日

月末になってようやく日記の日付が一日ずれていたことに気がついた。重症だ。モスバーガーで研究レポートをまとめる。石神井公園駅周辺ではもっとも採光のよい店のひとつで、テーブルが大きいのもいい。その恩恵に与れるのは四ケ所だけで、いずれも四人席。混雑時に四人席を独占するのはためらわれるので、昼食時を外して訪れるのだがいつも列が絶えない。繁盛するにはやはりそれなりの理由があるものだ。といっても別にたいそうな仕掛けがなくても人は集まるのだなとここに来るたびそう思う。二年にいちどくらい入るマックと比べると客がせかせかしておらず、のんびりくつろいでいるのがよく分かる。いかに「気分よくさせるか」という配慮のありようが、客層・集客力・リピート率の違いとなって現われるのだろう。安くて回転が早ければいいというものではない。たとえば私の場合は、思考に適したほどよい喧噪と書きものをするのに適した陽の光を得るためにモスバーガーへ出かけるわけです。つまり、味と価格は二の次で、音と光がもたらす雰囲気を買っているということになる。もちろん味が良ければ文句ないわけで、その点でもバーベキューフォカッチャは十分に合格点なのでした。

2005年01月30日 日曜日

いまのワークスタイルは快適である。朝8時に起床し、子供を保育所に送るため片道15分ほどの道のりを自転車で往復して9時すぎには仕事場に入る。コーヒーを飲みながらメールチェックをし、サイトのアップロードを終えたらその日の仕事にとりかかる。このスケジュールが定着してもう三年くらいになるだろうか。ライフそのものといってよいほど職住が一体化している。オンオフの切り替えはほとんど問題にならない。しかし、この快適さがある種の疑念を生じさせていることも事実である。脳内時計のアラーム音が次第に大きくなっている。

2005年01月29日 土曜日

レポート作成に集中。実地調査で得られたデータに多くの示唆が含まれている。経験値による予想や論理的な帰結が覆されるのは痛快である。

2005年01月28日 金曜日

抱えていた仕事が終わっていく。チョコをひとかけ齧り、ココアで一服。ふう。研究レポートを書き進める。

2005年01月27日 木曜日

書きためていたメモを大量に読むという負荷をかけることによって、かじかんでいた脳がようやく暖まってきた。ルーティンワークを続けすぎたせいか、脳が萎縮してしまったようだ。断片を組織化する喜びといおうか、アイデアを煮詰める作業がこんなにも楽しいものだということをすっかり忘れかけていた。

2005年01月26日 水曜日

複数の事態が錯綜しつつも混乱には至らず、前へ進むほどに明かりの度合いは増してくる。視界は開けてきたし方向もこれでいいはず。足どりも確かなのだが、頭がすこしもつれている。

2005年01月25日 火曜日

昨年からの宿題を仕上げるために再び周辺資料を整理しはじめる。本来の目的はこの宿題を提出したあと。この一年で学んだことを「試験」で発揮できなければ私に春は来ない。

2005年01月24日 月曜日

いそいそとつくった雪だるまの頭を胴体にのせてもらうのを人に手伝ってもらうのがこれまでの仕事のやり方だとすると、雪玉を転がして胴体をつくっていたらいきなり坂のてっぺんが現われて、そのまま勝手に転がり始めてしまうのではないかという怖れを今年は抱き続けている。しかし、不安に対する抵抗力は増しているようで、怖れの感情を少しだけ制御できるようになってきた。厚かましさと紙一重なのかもしれないけれど、経験と準備によってたしかにそれは可能なんだなと思う。

2005年01月23日 日曜日

夕方すこし雪が舞う。大寒をすぎてから徐々に冷気が際立ってきた。昨晩は多摩美グラフィック関係者の懇親会。ビール一杯だけにとどめる。某誌の原稿は八割がた完成。動きはじめた言語脳の勢いを借りて、昨年来の難題にとりかかろう。ロシアではオイルが凍らないようにウオッカを混ぜるというし、墨に日本酒を加えるとよい艶が出るという。私も寒さでエンストせぬように、ときどきアルコールを摂取して冬をしのぐことにします。

2005年01月22日 土曜日

子供のランドセルを買いに行く。百貨店ですぐさま彼が手にしたのは深緑色のランドセルだった。うん悪くない。妻が別の買い物をしているあいだ私と息子は四階の書店コーナーで時間をつぶすことにした。彼に見分けがつくはずがないのを承知で「お父のつくったAXISフォントを探そうぜ」ともちかけた。まあ一冊くらいは見つかるだろうとタカを括ってよおいドンで平台を探し始めるとほどなくして息子がコレ!と指さした。はっはっは、そうかそうかAXISフォントあったかと彼が指さした本を見て笑いが止まった。タイトルもサブタイトルも著者名も帯もまさしくAXISフォント。うそお。でもこれは嘘のようなほんとの話。思い当たるふしが実はある。小学校入学前にひらがなとカタカナくらいは覚えさせたほうがよかろうなと思い立ち、両仮名の五十音図をAXISフォントで作ってA3でプリントアウトしたものが居間に貼ってあるのだ。最初に書いた文字が袋文字だったのにも驚いたが、今日の一件にはそれに劣らぬ衝撃を受けた。たまたま当たっただけという線も否定しきれないのだが、それにしてもだ。家庭環境とは恐ろしい。

2005年01月21日 金曜日

一時的にせよパソコン依存症を改善するためには意識して外に出たほうがいいのだろうな。夜は新宿ですき焼き。文芸誌『ファウスト』新年会の末席に連なる。鳥海さん岡澤さん紺野さんと新年のあいさつを交わす。編集長の太田さんとは初対面。講談社×凸版印刷×字游工房のチームワークに考えること多し。

2005年01月20日 木曜日

書体制作に区切りをつけ、記事の骨格を考える。書体脳から言語脳にうまく切り替わらない。手と脳が文字を作りたがっている。指先が震えるところまではいかないが、手持ち無沙汰で落ち着かない。仕方ないので文字を少し作る。

2005年01月19日 水曜日

昨年末から慌ただしく、人とゆっくり会う時間を持てないでいる。追いかけるのが私の本領なのだが、追いかけられる状態が続いている。事を起こそうと企んでいるのに事が先に起きてしまう予感がする。今日はその予感を裏づけるような「準備しておいてくださいよ」というメッセージが届いた。呼び水はいつか流れとなる。

2005年01月18日 火曜日

タイププロジェクトにて某誌書体特集の原稿依頼に関する打ち合わせ。女子美シンポジウム/展覧会『タイポグラフィ・タイプフェイスのいま』が発端になっているようだ。『MacPower』最新号に女子美展覧会の記事が掲載されているが、どこか他の媒体でも取り上げられただろうか。関心の薄さ対価の低さを嘆くまえに、我々にできる事やるべき事は山ほどある。なんて昨年から抱えている大きな宿題をやり終えていない人間が言うのもなんですけど。でも本当にそう思います。

2005年01月17日 月曜日

書体制作終日。生産計画の確認。昼にタンメン。

2005年01月16日 日曜日

タイプデザイナーとしてのキャリアが14年目に入った。東京での暮らし、社会人としての生活も丸13年ということになる。そういう区切りの日に、今年最初の、三年に一度あるかないかというやりがいのある仕事を無事納入することができた。根を詰めすぎたがそのぶん魂も込められた。

2005年01月15日 土曜日

シャリシャリと窓をたたく音は霙か雪か。書体制作の合間に完成間近のロゴタイプを手に取って眺める。ごぼうのかき揚げとレバーの立田揚げ。夜から強い雨。

2005年01月14日 金曜日

根を詰めすぎて気持悪くなってきた。今回の仕事はロゴというよりワードを扱うタイプフェイスの感覚に近い。横画の太さ、ふところの締まり具合、漢字と仮名の大きさのバランス、エレメントの統一感、字間の調整など緻密な作業が要求される。磨いては眺め、研いではかざし、光と音と手触りを確かめる。

 立ち眩みして凛々と梅蕾    茶門

2005年01月13日 木曜日

都内某所にてロゴタイプのプレゼン。社長に対するプレゼンというより社長のプレゼンという趣き。しかしこれで方向性が明確になり、仕事は格段に進めやすくなった。あと四日ほどで磨き上げなければならない。5案のうち社長が選んだのは最も意外な案であった。

2005年01月12日 水曜日

明日の大事なプレゼンを控えて事前の打ち合わせ。服装のことなども相談。こういうことが意外に重要だったりする。仕事場に戻ってロゴタイプの候補案にブラッシュアップをかける。

2005年01月11日 火曜日

三週間ぶりに多摩美へ。年内に作品を提出できなかった学生の講評を個別に行なう。大勢に対しての講評と一対一の講評ではコミュニケーションの温度と濃度が自ずと異なる。ダイアローグから生まれるデザイン/デザインから生まれるダイアローグ。行き帰りの車中で某社ロゴタイプ案の見直し。

2005年01月10日 月曜日

穏やかな冬晴れの日が続き庭の白梅も蕾みはじめてきた。草加より義父母と息子が昼すぎに戻り、皆で中華を食べに行く。たらふく食べて自宅のこたつで横になったらそのまま眠ってしまった。ロゴタイプと書体制作。未明に子供が腹痛を訴え泣き出す。ちょうどその晩テレビ番組で小児科緊急医療を探しているうちに幼い子供を亡くしてしまったというドキュメントを観ていただけに気が気ではない。あちこち電話をかけ、ようやく対応に出てくれた病院も充分な検査はできないがそれを承知したうえで来てくれという返事であった。幸い一時間ほどで痛みは治まり、子供が寝息をたてはじめたのを聞いて安堵する。

2005年01月09日 日曜日

草加から義父母が来て孫を連れて行く。ロゴタイプに集中。多摩美の学生から書体制作についての相談を電話とファックスで応対。

2005年01月08日 土曜日

プリンタのトナーを交換したら、一週間もたたないうちにドラム交換のアラートが出た。トナーが補填されたばかりのドラムを泣く泣く取り替え、プリンタを起動したら今度はトナー交換のアラートが‥‥ 終日ロゴタイプ。

2005年01月07日 金曜日

ロゴタイプを何案かつくって、となりの部屋で作業をしている嫁さんの意見を聞いてみた。辛口。

2005年01月06日 木曜日

のど風邪をこじらてしまったので、朝はコーヒーではなくココアを、夜は蜂蜜レモンか梅干しほうじ茶。今晩は梅酒のお湯割りで体を温める。ロゴタイプを終日。

2005年01月05日 水曜日

これからの人とこれからの事を語り合う。また喜ばしからずや。一週間ぶりに酒を飲む。また楽しからずや。人知らずして企みぬ。また策士ならずや。

2005年01月04日 火曜日

昨年はかなり本の購入を控えたつもりだが、それでもカラーボックス二個分は確実に増えている。周囲を見渡しても本棚を置く余裕はどこにもない。背後にある石油ファンヒーターの上が格好の本置き場と化している。昨年はそれが原因で四月になってもヒーターを片付けることができなかった。

2005年01月03日 月曜日

ロケットスタートと言えば聞こえはいいが、単に尻に火がついて焦っているだけ。ここをなんとか乗り切って次の準備に取りかかりたい。今年は準備の年だ。

2005年01月02日 日曜日

暮れても明けても文字づくり。今月いっぱいはこの忙しさが続きそうだ。いや来月もか‥‥

2005年01月01日 土曜日

東京未明に弱震。揺れて明けた2005年の朝は快晴、そして雪景色。家族を伴って長命寺に初詣。年々「神仏の加護」に祈願する想いが強くなっているような気がする。仕事始めはハイペースでの書体制作。人事を尽くして天命を待つ。

 元日や松の滴の景気よく    茶門