Type Project —visible, but invisible.

小さなメディアが届いた。A5サイズ中綴じ12ページの冊子で、先月の向島石碑めぐりの口上と感想が記録されている。表紙に「しをり」とあるが、正しくそれはあの遠足の気分を盛り上げてくれた栞のたたずまいをしている。私の戯れ文も掲載されていて、それがなんというか実に嬉しい。これまた遠足の栞に自分の文章が載ったときの嬉しさによく似ている。「小さなメディアっていいですよね」と別れ際に話したのはちょうど三年前のこと。冬の雨がそぼ降るこんな日に、古賀さんのもとからそれが届くなんて、しかもこんなに薄くて柔らかいものに、あんなに大きな石碑の話しが載っているなんて。出来たての栞を繰るうちにトナーで手が黒くなってしまったのは、採りたての拓本に見立てた趣向だろうか。表紙を飾る酒井抱一描くところの筆の化身がにんまりしているところをみると、あり得ない話でもなさそうだ。吹けば飛ぶよなメディアだからこそ、ユーモアと勇気を同時にのせられるのである。

 去り際のことば美し初時雨    茶門

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