仕事場に籠りきりで書体制作。海外のネット書店で注文した本が相次いで届く。『THE BIG KAN ATLAS』『New book design』『Type now』『dutch type』の四冊。『dutch type』は図版が豊富で、オランダタイプデザインのユニークさと層の厚さが感じられる。『THE BIG KAN ATLAS』はインフォメーショングラフィックスを取り扱うデザイナーにおすすめします。註に使用されているHelvetica Lightが読みにくいのがちょっと残念。書体が悪いのではなく、Helveticaを小さなサイズで使うほうが悪い。字間が狭すぎるし、大文字が目立ちすぎる。ディスプレイでは魅力に数えられる点が、本文や註ではあだとなる。電子活字を作る側はもちろんのこと、電子活字を使う側にとっても、文字に対するサイズ感覚はたいへん重要な感覚に違いない。アプリケーションの利便性はある種の感覚を確実に鈍らせるが、使いようによっては研ぎすませもする。サイズ感覚を「場に対する感覚」と言いかえてもよい。文字の置かれる場所と文字の使われている場面を活きいきと思い浮かべることができるかどうか。活きいきと在りありと。