ごたごた荘「旅立ちの会」。息子の卒荘ではないにも関わらず泣いてしまった。不覚にもぼろぼろ涙がこぼれた。幼い子供にとっての数年間というのはなぜこうも胸を熱くさせるのだろうか。スライド上映会のバックで流れていた曲がまたいけない。オフコースの『言葉にできない』はないだろう。狙い撃ちのようなものだ。アキラさんの声がうわずったこと、あれが一番いけない。嗚咽はないだろう。かすんだ視界のはしっこに、ハンカチで涙をぬぐっている嫁さんの姿が入ってきた。あれもいけない。しょっぱなのショーウンのギターからしていけない。哀愁を奏でやがった。梅の花だっていけない。あんなにはらはら散られてはたまらない。それもこれも、みんな春がいけない。
やすやすと事を告げらる花の下(もと) 茶門