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桃の節句。由来は中国、1650年前のこと。「書聖」王義之は、永和九年(353年)会稽(現在の浙江省紹興県)の蘭亭に名士を招いて宴会をひらき、曲水という川に酒の盃を流して、釣り上げた盃を飲み干し即興の詩をつくるという遊びに興じた。詩は『蘭亭集』という詩集にまとめられ、王義之みずから序文の筆をとった。これが世に名高い「蘭亭序」である。
この曲水の宴が催されたのが三月三日で、のちに日本に伝わって平安貴族の雛かざりと重なり、桃の節句(雛まつり)へと向かった。その典雅さが王朝人の趣味によく合致したのだろう。より信仰的呪術的な「流し雛」の風習も今に残る。王義之の遊びは、日本人の禊ぎと習合したのである。

 丁々と散て発止と桃の酒    茶門

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