Type Project —visible, but invisible.

先日、NHKにチャンネルを合わせたら、ちょうど『夢の美術館〜国宝100選』のエンディングをやっていた。国宝が大写しにされ、バックに尺八の音が流れている。古色蒼然たる仏像仏画には、なるほど琴でも笛でも鼓でもなく、尺八しかありえないなと思わせる説得力があった。頭蓋に響く尺八の息吹に思わず姿勢を正して聞き入った。古今東西あまたある楽器の中で、奏者自身がもっとも恍惚となれるのは尺八ではなかろうか。虚無僧は、編笠の下でひたすらに尺八を吹き、喜捨を得、同時に恍惚さえ我がものとしたはずである。先の番組ホームページで、国宝の人気投票がおこなわれた。三位 風神雷神図、二位 阿修羅立像、一位 弥勒菩薩半跏像。日本の国宝の第一号として指定されたのも広隆寺にあるこの弥勒菩薩像だった。

 寒灯や弥勒菩薩の鼻のすじ    茶門

坐禅をしない禅僧は虚無僧だけである。「ただひたすら坐れ」など馬鹿ばかしいと思ったか、どうか。

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