Type Project —visible, but invisible.

木雲、西村とともに北鎌倉在住の恩師を訪ねる。ガラス工芸店に併設された喫茶店のオープンエアーで珈琲を飲む先生に近況報告を済ませ、まずは東慶寺へ。満開の臘梅が甘い香りを境内に漂わせる。昼下がりの半月。快晴。鳥の声。早くも紅梅が一輪綻んでいた。松ヶ岡宝蔵で、和辻哲郎宛漱石書簡、良寛の書、禅忠の画を楽しむ。館内の寒さが心地よい。

 をとたてず洟をすゝるや東慶寺

冷えきった体を温めるため御茶屋できつねうどんと熱燗を流し込む。浄智寺へ。臘梅と茅葺きの屋根。無気味な表情をした布袋石像の指差す方へ歩をすすめる。三椏(みつまた)。浄智寺を出、坂をすこし登ると、左手に石を穿った50メートルほどのトンネルがあり、そこを抜けると小倉遊亀、小津安二郎の住んでいた家のまえに出る。ははあ、この二人、異空間へ通じる千と千尋のトンネルをくぐることによって彼岸と此岸を往来していたわけだ。

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