Type Project —visible, but invisible.

サイン書体

ポーラ美術館サイン書体



2002年9月6日、箱根仙石原にポーラ美術館が開館した。収蔵品は、ポーラグループのオーナーだった故 鈴木常司氏の個人コレクション。印象派の絵画と中国陶磁器のコレクションが質量ともに際立っている。ガラス張りのエントランスを抜けると、光をふんだんに採り入れた空間へと導かれる。箱根の自然を借景に、ガラスと光を基調にした美術館。建築設計は日建設計。



ポーラデザイン研究所から、所内でデザインしたポーラ美術館のロゴをブラッシュアップしてほしいという依頼を受けた。新ゴシックに90%の長体をかけたものがベースになっている。わたしの作業は主に、長体をかけたことによって生じた曲線の歪みと縱横の比率などの微調整。

ネガとポジでは文字の太さを変えた。黒バックでは文字がやや太って見えたので、視覚上同じ太さに見えるようネガは5〜6%細く作ってある。上のロゴは1999年の春に完成したもの。





美術館前のモニュメント(日建設計)

案内表示板
プレゼンテーションで、このスリムな案内表示板を見るまでは、正体のサイン用書体をつくるつもりだった。デザインは(有)インターデザイン 奥田 時宏 氏。



ごくスリムな案内表示板と長体90%の美術館ロゴ。先行するふたつの要素から、サイン用書体を長体でつくるというアイデアは自然に導かれた。


上から、正体, 長97%, 長95%, 長93%, 長90%。
真ん中95%の長体でつくったものが採用された。縱長のプロポーションと画線の太さは、わずかに「細み」と「明るさ」を感じる程度のところで落ち着いた。