AXIS Basic 制作ノート

3. AXIS Condensedの完成

デザイン作業に2年、フォント化に1年を経て、2006年10月号のAXIS誌で、AXIS Condensedのプロトタイプを発表する日がやってきました。奇しくも、AXIS Fontが初めて陽の目を浴びた5年前と同じ日、AXIS誌の創刊からちょうど25年になる記念号の表紙を、AXIS Condensedが飾るという喜ばしい門出となりました。

製品として満足のいく品質になるまで修正を行なったことで、発表からリリースまでに2年近くかかってしまったのは計算外でしたが、その甲斐あってか、幅広い市場から高い評価を頂き、2003年には、単独の書体ファミリーとしては初めてのグッドデザイン賞に選ばれました。その後、ポーラ社やマツダ社にコーポレートフォントとして採用されるなどAXIS Fontへの注目度が上がるなか、2005年にアップル社がAXIS Fontの導入を決めたことで普及に弾みがつきました。

3-1. AXIS Condensed 6ウエイトのリリース

AXIS Condensedの発表と同時に試用版の無料ダウンロードを開始し、製品化に向けた最終調整に入りました。先に記した「アームの折れ」は、この時期に取り組んだ問題です。信頼する何人かのエンジニアとデザイナーにテストをお願いし、製品としてリリースできる確信がもてるまで1年を要しました。余裕をもって設定したはずの「2007年春リリース予定」を夏に変更したのは7月でした。そして2007年9月、ついにAXIS Condensed 6ウエイトのリリースが実現しました。

3-2. AXIS Font ファミリーの今後

6年前に書いた「AXISフォント制作記録」の末尾を、私は次のような一文で結びました。「特定の媒体を想定してつくられたはずの書体が、その媒体にふさわしくなかったら‥‥。はたしてAXISフォントは、「AXIS」誌の読者に受け入れられるかどうか」。いかにも自信なさげな発言ですが、たしかに当時の心境をあらわしたことばにはちがいありません。

2001年9月のデビューからちょうど6年、「和文エクスクルーシブフォントの実現」を目指したAXIS Fontは、開発者たちの想いを越えて活躍の場を広げています。そして今、字幅のバリエーションが加わったことでどのような展開を見せるのか、スタンダードのとき以上に想像がつきません。リリース後の展開に胸が躍ると同時に、和文サンセリフの新しい選択肢のひとつとして、時代とともにAXIS Fontがあることを願ってやみません。

(タイププロジェクト 鈴木 功)

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