角アールの度合いを選べるラウンドシリーズ

TPスカイは、スクリーン表示に適した本格的なフォントファミリーです。単調になりがちなサンセリフ体のストロークに抑揚を与え、ゆたかな表現を可能にしました。そのTPスカイに、角アールの度合いを選べるラウンドのシリーズをラインナップに加えました。シャープさが持ち味のTPスカイをわずかにマイルドにしたラウンド 50、丸ゴシックでありながらもすっきりと甘さを抑えたラウンド 100。食品、ファッション、コスメ、エンターテイメントなど、TPスカイの使用シーンを飛躍的に広げるラウンドシリーズ全30フォントは、目的や用途に応じて最適なフォントを選ぶことができます。

視覚的なバランス調整と印象の統一

TPスカイラウンド 50は、異なるウエイトでも同じアールに見えるよう、ウエイトによって角アールの半径を変え、視覚的なバランス調整と印象の統一をはかっています。ローコントラストの先端部には2つの正円でアールを描き、ハイコントラストの先端部は正円1つでアールを描くなど、抑揚サンセリフ体ならでは処理をほどこしました。TPスカイラウンド 100は、85%の扁平な円を採用しました。静的な印象のつよい正円に対し、ストロークの方向性に軸を合わせた楕円形の先端部は、筆勢を持ち味とした抑揚サンセリフ体の性能を引き出すのに適した形状表現です。プログラムによる処理をおこなったあと、手動による視覚補正をおこないました。

すっきりと甘さを抑えた丸ゴシック

TPスカイラウンドは、シャープなTPスカイの表情をやわらげることで、知性と穏やかさをあわせもつ現代的な書体です。「空」をグランドコンセプトに、スカイラウンド 50は「くもり」、スカイラウンド 100は「雨」を比喩的なキーワードとして想定しています。わずかにマイルドにしたラウンド 50と、静的な印象のつよい正円に対しストロークの方向性に軸を合わせた楕円形の先端部を採用したラウンド 100は、丸ゴシックでありながらもすっきりと甘さを抑えた印象です。それぞれのウエイトとコントラストでさまざまな表情を見せるTPスカイラウンドのファミリーに刻々と変わる空の表情を思い合わせること想定して制作しました。