特徴

デジタル時代の新しいゴシック体
TPゴシックは、簡潔なアウトラインで筆画が表現されているため、さまざまな解像度で安定した表示結果を得られます。ニュートラルな印象の書体ですが、起筆部のセリフや、ストロークの抑揚、ハライの抉り(えぐり)の効果で、ゴシック体に求められる力強さもそなえています。シンプルなデザインでありながらゆたかな表情をみせるデジタル時代の新しいゴシック体です。TP明朝の仮名は明朝体としては現代的なシェイプですが、その仮名の骨格をあるていど踏襲したTPゴシックは、よりオーソドックスな印象の書体です。漢字はフトコロを絞り気味に設計しており、ややクラシック寄りの雰囲気を生み出しています。

自然な抑揚と強弱で飽きのこないデザイン
TPゴシックの漢字は、やや引き締まったフトコロの効果で端正で落ち着いた印象を与えます。その漢字に合わせる仮名は、全体的に小ぶりな字面で、縦で組んだときの文字の流れを重視しました。タイププロジェクトが注力する横組みでは、仮名の筆勢と安定した字並びを両立させるための検証を行いました。ストローク細部の表現は凝りすぎず自然な抑揚と強弱を残すのみにとどめ、書体の風合いにつながるニュアンスを大事にしています。また、書体開発の初期段階から高頻度ですり合わせをおこなった和文と欧文の相性の良さは、TPゴシックの持ち味を引き出す重要な要素になっています。

骨格に手書きのニュアンスのある欧文
太いウエイトはストロークの抑揚が大きく感じますが、細いウエイトでもゴシック体特有の雰囲気をかもしだします。欧文は、落ち着いたオーソドックスなグロテスク系のサンセリフ書体(直線的で規則性が強い最初期のサンセリフ体)です。骨格に手書きのニュアンスを含ませて空間を大きく持たせることにより、親しみやすい印象を与えています。x-height(エックスハイト)を少し高めにして文字幅を若干狭めに設定することで、欧文単体での読みやすさに加え、和文との親和性を実現しています。正体でも文字幅を狭めに設定しているため、コンデンスやコンプレスと一緒に使用したときの相性もよく、省スペースという機能的な効果を発揮します。
- WHITE MODE
- BLACK MODE
- A正体
- Aコンデンス
- Aコンプレス
ファミリー・仕様

文字セット
スタンダード版 (StdN)
9,499字 (Adobe-Japan 1-3に準拠)